診断から手術へ−これまでの経緯−



いざ体験記を書きあげてみると、改めてこの病気とも長いつきあいだったんだなぁと思います。
つか、長くなった理由は、私がなかなか手術を受ける決心がつかなかったから、なんですけどね(^_^;
なのでこのページでは、その辺も含めて、初めての病院受診から手術に至るまでを、思い出せる範囲で書いてみました。

なお、そもそも子宮内膜症とは何ぞや?とか、どんな治療法があるの?等の基本的あるいは専門的なことについては、こちらのサイトを参考にして下さい。

 → 日本子宮内膜症協会(JEMA)(←私も随分勉強させてもらいました^_^)

 

2001年初夏頃

しばらく前から、生理時にかなりの排便痛があるのが気になっていたので、ネットで検索してみることに。
で、得られた答が「子宮内膜症かも知れない」というもの。特に生理痛が酷いということもなかったが、症状は人それぞれだとあったので、とりあえず病院に行くことにする。

・・・この時点での私は、今の日本なら、医療水準も高いし、どの病院を受診してもたいして変わらんやろ〜と思っていた。
ところが、ことこの「子宮内膜症」という病気に関しては、それはどうやらそれは大きな間違いだったようで・・・

◆ K産婦人科受診

病院選択の理由は、単に交通の便が良かったから。
内診と膣エコーの結果、右卵巣にのう種ありとのこと。おそらく子宮内膜症によるチョコレートのう種だろうと言われる。
念のため腫瘍マーカーの値を調べる血液検査をし、翌週結果を聞きにもう一度受診。

検査の結果、値からみてやはりチョコレートのう種だろうと。医師から当面の治療方法として、アルコール固定術と注射による半年間の偽閉経療法の2つが提示され、いきなり二者択一を迫られる(^_^; しかも、どうやら医師は偽閉経療法をやりたいらしく、「アルコール固定は中で漏れたりして云々」と恐がらせ、反対に偽閉経療法は「ちょっと副作用があるかも知れないけど、そんなに大したことはないから・・」などという。その態度に直感で胡散臭さを感じながらも、その場での答としては偽閉経療法を選択。
「次の生理が始まったら治療開始なので又来て下さい」と言われ帰宅。

慌てて真剣にネットで調べてみると、色んなことが分かった。主なものとして、

その1
アルコール固定術は昔流行った治療法で、今はあまり行われていないこと。

その2
薬物療法としては注射による偽閉経療法が、もっとも副作用が激しいこと(ちなみに安全なのは低容量ピル)

その3
そもそも子宮内膜症と確定診断されるのは、直接お腹の中を見た場合のみで、その他(血液検査、エコーなど)はあくまでも臨床診断に過ぎないこと。

で、結論。あの医者は絶対止めとこう・・・(爆)

かといってこのまま放っておく訳にもいかないので、自分で調べたり人に聞いたりして真剣に病院探し。その結果、かなり評判の良い病院を見つける。

◆ Kクリニック受診

ここの医師はもと総合病院に勤務していた女医さんで、お産だけでなく思春期外来や更年期障害等にも力を入れているのが私的に高ポイントだった。

内診と膣エコーの結果、なんと両方の卵巣に各3センチくらいののう種ありとのこと。画像からみておそらくは子宮内膜症によるチョコレートのう種だろうと思われるが、それは臨床診断に過ぎず、本当にそうと言い切るためには、手術をしてみないと分からない、と言われる。治療方法としては、手術、偽閉経療法、低容量ピルを提示され、それぞれについて説明(←根本的な治療は手術のみで、他は病気の進行を抑えるだけというのも含めて)を受けた後、自身で選択するよう言われたので、迷わず低容量ピルを選択。あと、念のために血液検査もうける。加えてこちらからお願いしてMRIの検査も(←これは設備のある他病院で)

検査結果では、ガンの心配はまずなく、まず間違いなくチョコレートのう種だろうと。ただ、確定的な診断&治療は手術でしかできないと念を押される。
が、実はこの病院では手術はできないんである(←設備もないし)。つまり先生は執刀しない代わりに、紹介状を書いてくれて、他の総合病院で手術するというしくみ。そのシステムも不安だったし、何よりもお腹にメスを入れるのは、なんとしても決心がつかなかった(×_×)

なので、この後ほぼ3年半、低容量ピル(←当初1相性のオーソだったが製造中止になった(^_^;とのことで途中から3相性のシンフェーズに変更)を飲み続けることになる。
その間、3ヶ月〜半年ごとに同病院を受診し、定期的にエコー検査をする(←最初の頃は行くたび手術を勧められた(^_^;)

低容量ピルは超快適だった^_^ なんつっても、排便痛がぴたりと消失、生理時の出血もごく僅かだし痛みも全くなし(←生理痛は酷くなかったとはいえ、少しはあった)、しかも生理が自分でコントロールできる!! なので旅行なんかもばっちりOK^_^ もうずっと閉経までこれで通そうかとまで思った。

が、頭の片隅では、常にガン化を懸念していたことも確かである・・・


2004年1月

母親が突然の手術。しかも2度立て続け。最初はヘルニア(←激肥満のため帝王切開で私を出産した時の縫合場所が綻びて(^_^そこから脱腸)、次が乳ガン。執刀医はいずれも同じ先生。これが私にとって大きな転機になった。

ひとつは、母を執刀してくれた医師の誠実な態度に好感が持てたこと、そしてもうひとつは、80歳近い老人が、2度の手術(←もち2回共全身麻酔)に耐えたんだから、案外手術って恐くないのかも知れない・・・という気持ちが芽生えたこと。

漠然と、「手術してもいいかなぁ・・・」と思い始める。


2004年4〜9月

そうこうしている内に私も惑わないはずの年齢になり(^_^;、新年度がやってきた。運良く今年も異動しなかったが、この職場での勤続年数から見て、どうあっても来年度は異動の対象になるはずである。と、すれば・・・
このまま徒に年を重ねればそれだけ体力も落ちるし、ガン化の危険性も高くなる。ならば仕事にも慣れた今の職場でいるうちに・・つまりは今年度中に手術をした方がいいのではないか・・・それに案外大丈夫そうだし・・・と手術へと心が大きく傾く。

何よりも一番恐かったのはガンで、調べてみるに、ピルを飲んでいる間は大丈夫でも、閉経後忘れた頃にガン化することもあるらしい(^_^; そしてうちは母方祖母が胆嚢ガンで亡くなり、今また母親も乳ガンと、どう見てもガン家系である(^_^;

それに変な話だが、実はその昔、独身時代に見てもらった「よく当たる占い師」が、「下腹部の左右にひとつずつある臓器の病気で、貴女は命を落とすことになるだろう」などと言いやがったのである。
私は占いなんて信じる方じゃないけど、いざ自分がその「左右にひとつずつある臓器」に病気を持つ身になってみると、その言葉が何やら信憑性をもって迫ってくる・・・ような気がする(^_^;

そんなこんなが重なって、とうとう今年度中に手術を受けようと決心するに至る。

が、もし手術をするのなら春〜夏は避けたかった。年度当初ってのはあんまりだし、梅雨はじめじめしてるし夏は暑い(^_^; 傷の治りも遅そうである(^_^;
それで秋に手術する、と決めて職場にもその旨を話し、まずは紹介状を書いてもらうためにKクリニックへ。

しかし、一番大事な病院選択の問題が残っていた(×_×)
だいたいにおいて私の住んでいる地方都市では、手術というと、大学病院か公営の総合病院にほぼ限られるのである。(←ここではまだ「県外」という選択肢は全く頭になかった) その中から選ぶとすると・・・

え〜い、めんどくさい。大学病院なら確実やろ。結構有名やし。

とまあ、かなりいい加減な選択をして紹介状を書いてもらい、手術を前提として9月に大学病院受診。

◆ 地元大学病院受診

内診、膣エコーでのう種を確認(←ちなみにこの3年余り、のう種の大きさはずっと3センチ前後だった)、当初から手術予定での来院だったので、トントン拍子に話が進み、約1ヶ月後の10月半ばに入院し、翌日手術の段取りとなる。この程度なら腹腔鏡手術も視野に入れて考えておきますね・・・とのことだったが、具体的な術式は未定。1〜2週間後、術前検査(MRI、CT、レントゲン、心電図、肺活量、血液検査・・)を受ける。

検査後、結果を聞きに産婦人科へ。私はてっきりこの時に、手術についての説明がなされるものと思っていた。
が、しばらく待たされた後、看護師さんから名前を呼ばれたので行ってみると

先生に(検査結果を)見てもらったら、異常なしとのことなので、今日はもう帰っていいですよ。

え゛ぇ!!

なんと手術についての具体的な説明はなく、次に来る時イコール入院日だという。

そんなぁ・・・

インフォームドコンセントとか言い出すまでもなく、当然入院前に十分な説明が受けられると思っていたのにのにのに・・・

いきなり不信感マックス状態(^_^;、めちゃくちゃ不安になりだし悩みまくる。

最大の悩みは、「腹腔鏡手術が受けられるかどうか」だった。
入院期間、身体に与えるダメージ等を考えて、できれば開腹ではなく腹腔鏡で手術してもらいたい。
で、σ(・_・)的には、大学病院なら絶対腹腔鏡でしてくれる・・と思い込んで受診したのだが、今までの感じからして、どうも積極的に腹腔鏡手術をやっているという雰囲気ではなさそうである。
思いあまって電話で確認したところ、なんと術式については、入院してからの話し合いで決まるんだそうな。んなこと言ったって、入院したら翌日には手術・・・逃げ場はない(爆) しかもそんな状況で二者択一を迫られたとして、冷静に判断できる自信は私にはない。さらに執刀医が誰かさえ、入院してみないと分からないんだとか。
よしんばそういうやり方が、ごく通常の大学病院方式だったとしても、私にはとうてい納得できなかった。

さらにネットで調べてみると、驚くべきことに、上手に腹腔鏡の手術ができる医師は、結構限られているという。
これはなんとしたことか、腹腔鏡手術ができるイコール上手い・・んではないんである(^_^;
しかもその技術を持っているかどうかのひとつのめやすになる内視鏡の「認定医」、名簿を見たら、私の地元にはいなかった(爆)

もともと心配性なところのある私、ことここにいたって悩みは最大、でもひとつだけ確実に言えることは・・・

こんな状態で手術を受けたら、後でなにかあった時絶対後悔する

ということだった。
しかしそうしている間にも、刻々と入院日は迫ってくる。
周囲にも話している手前、よっぽどな理由がなければ「手術止めました」とは言い難い。
どうしよう・・・又悩みに悩んで出した結論は

県外でも良いから、自分で納得のいく病院を探してみて、もし見つかったらそこで手術を受けよう

そしてその時に、大いなる光明となったのが、上に名前をあげた「日本子宮内膜症協会」の電話相談だった。

何度かチャレンジして繋がらず、もうこれがギリギリタイムリミット、最後の機会・・という時に、電話が繋がったのだ^_^

その時教えていただいたのが、今回手術を受けた病院のM先生である。
(←結局大学病院の手術はキャンセルした。ちょっと嫌なこともあったけど(^_^;、結果的には本当に良かったと思う^_^)


なお、電話相談では色々と有意義なアドバイスをいただいた。
もともと大学病院は、高度先進医療のための病院でもあるので、却って医師の腹腔鏡などの技術取得が難しい傾向があることや、そもそも産婦人科医と一口に言っても、その専門は様々であり、今日のように医療が細分化された時代では、専門外の領域までなかなか手が回らないこと、等々。例えば地元の大学病院は、内膜症のプロはいないけど、不妊治療についてはかなり優れているという。そういったことを踏まえると、今後はますます患者の側の病院選びが重要になってくるのである。
(※注 ここに書いたことは、私がそう理解した、という意味であり、これがそのまま回答してくださった方の意見であるという訳ではありません、念のため)

そして今回のことを通じて分かった一番のことは

自分の身体を守れるのは結局自分

ということだった。
(※注 これを読んで、もし自分も電話相談をしてみたいと思った方がいらしたら、かける前にまずはサイトで説明されている相談時の注意事項や条件を読んでみてくださいね。)


2004年10月

◆ 教えてもらった某県立病院受診

この日から、片道3時間の高速バス通院が始まった(笑)
バスの時間の都合上、初診受付時間ぎりぎりでの飛び込み、紹介状もなしの、文字どおり体当たり受診(爆)である。

内診、直腸診、膣エコーで内膜症とチョコレートのう種の状態を確認。
内診及び直腸診の感触と、私の自覚症状(排便痛)から、内膜症の病変が直腸部分にまで及んでいる可能性が高いこと、従って手術は、単にのう種部分の切除だけでなく、直腸部分を含めた病変の切除になること、手術は腹腔鏡で行うこと、手術方法と起こりうる危険性について、等々。

詳しくかつ分かりやすいその説明を聞いて、その場で決心する。

この病院でこの先生の手術を受けよう

と。

ところが流石は腹腔鏡手術を専門にされているだけあって、先生の予定は約3ヶ月半先まで一杯とのこと、必然的に手術は来年2月に決定となる。


2005年1月

術前検査。
レントゲン、血液検査、心電図、肺活量。

翌週検査結果の報告と手術内容の詳細説明。できれば家族も来て欲しいとのことなので、夫も同行。
前回同様、詳しくかつ分かりやすい説明と、偉ぶったところのない先生の態度に夫も好印象を持ったようで、

正直最初は、県外のいい病院・・やいうんは眉唾もんやと思てたけど、今の感じからしたらホンマに良さそうやな

と。

あんた、んなこと思てたんかい〜〜〜!!(爆)

それはともかく。
なんと検査結果で引っかかってしまう。GOT、GPT共に高かったのだ。
実は昨年11月の職場検診でも、GPTだけ高数値(←正常値上限の2倍)だった。けれど、自分で言うのも何だけど、かなりのサプリメント好き、健康オタクなこの私、よもや・・・何かの間違いと、気にも留めていなかったのである。
それが2ヶ月後には両方共が高数値になってしまった(×_×) 飲酒喫煙全くナシなのに・・・(×_×)

とりあえず詳しく検査した方がいいというので、後日内科も受診することになる。

で、その内科での診察結果。

理由不明・・・(爆)

肝炎ウイルスなし、脂肪肝でもむろんなし、女性に多いという自己免疫性肝炎でもない。
ひょっとしてサプリメントか??という可能性も示唆される・・・
う゛〜そんな変な成分の入ったもの(←個人輸入で買う類のものとか)は、一切飲んでないんだけどなぁ・・・(×_×)

ただし、手術にはさしつかえないとのことで、ひとまずほっ。
念のためこちらから頼んで甲状腺機能も調べてもらう。結果は入院当日に判明予定(^_^;


2005年2月

手術のため入院^_^


つづきは・・・こちらで^_^




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