平成セブン（ウルトラセブン１９９９・最終章）６部作 第６話「わたしは地球人」
Ｉｍｐｒｅｓｓｉｏｎ
え〜と・・いよいよ６話のレビューにとりかかりたいと思うのですが、その前に、何故１２年前に感想が書けなかったに触れておきます。 当時の私は、この話をそりゃ〜もう楽しみにしていて、特に各メディアで散々煽られていた「衝撃の結末」というのを早くこの目で見てみたかったのですが、ＬＤ（レーザーディスクです、念のため）発売に先立つこと数日ｏｒ数週間、本シリーズをプチ特集していた特撮雑誌（本の名前はもう忘れました）を購入し、何気にそのページを開いたところ、真っ先に目に飛び込んできたのが「現人類は実は侵略者だったという衝撃の事実」云々という一文・・ え゛ぇっ・・これって・・もしかしなくても思いっきりネタバレじゃん・・・ ・・という訳で、それまでがテンションＭＡＸだった分、その落ち方は凄まじく（爆）、どうにもこうにも気分が盛り上がらないまま見たもので、物語に入り込めないばかりか、何故？？どうして？？が先立つ始末。 そしてその最たるものが、セブンが語るところの「宇宙の掟」って？？というものでした。 だってそれまで、そんな掟があるなんてこと、どこにも描かれてなかったじゃないですか〜・・ それがいきなり、さもこの世界の普遍かつ重大事項のように語られて（いや実際にそうだったんでしょうけど・・）、「私は掟に背くことになる・・」とセブンに盛大に苦悩されてもなんだかなぁ・・と感じてしまい、結局ずっとそのまま放ったらかしていたんですよね。 ・・そして月日は流れて早１２年（笑）、この度めでたくカジ参謀への愛が激復活したので（こればっか・・）、仕切り直してもう一度、と相成った次第(^｡^) なので、今回の視聴に際しては、予め自分の中でルールを決めました（笑） それは、とりあえずこの６話の物語世界をそのまま受け入れてみる、ということ。 そう・・全てはそれから、なんですよね(^_-)-☆ なお、今回見たのはＤＶＤ版の方で、ＬＤ版に数カット付け加えられているのですが、どこがどう違うかを細かく比較はしていませんので、新作として鑑賞しています。 さてさて・・ 内容が内容なだけに、見ようと決心するまでにはちょいと時間がかかったのですが、いざ見だしたら案の定あっという間でした。 今回の話って、正式に「ノンマルトの使者」の続編扱いという位置づけなんだそうですが、その精神を受け継ぐもの、という視点で見た場合、こういう展開がベストだったのかどうかは、正直私には分かりません。 何故って、あの話には、沖縄に対する金城氏の想いとか、その他諸々のものが投影されていると言われているので（そうじゃないという説もありますが）、あまりにも深すぎて、自分ごときが論ずることはできないと思うからです。 ただ、本作で描かれている世界・・つまり、地球人類が宇宙に積極的に進出していこうとしている時代そのものの物語としてみたならば、そこにノンマルトの末裔の介入があろうがなかろうが、全宇宙に向けてのオメガファイル公開、というのは、遅かれ早かれ、いずれはなされるべきことだったんじゃないかなぁ・・という気がするのです。 だって見方を変えれば、そうすることが、自分たちが宇宙に出て行く資格を有する「成熟した知的生命体」の証、にもなりうるんですもん。 第一、実際問題として、公開したからと言って、ソッコ〜で、ならお前達は直ぐさま出て行け！！と、全宇宙から糾弾されるものなのかどうか・・ 自分たちが侵略者たる自覚があるのならともかく、それは数万年も前に起こった出来事で、現人類にはそんな記憶は微塵もないのですから、まずは公開の真意を問われた上で、その後事実確認と話し合い・・みたいな方向になるんじゃないかと思うんですよね。 ま、お前達も侵略者なんだから、俺たちもお前達の星を侵略するぜ！！みたいな手合いは出てくるかも知れませんが、そういうのは公開前からわんさといた（爆）んだから、あまり問題視する必要もないんじゃないかと。 ・・さて、そう考えると、「侵略者はその星から出て行くか、力を持って居座るかしかない」と言い切る今回のカジ参謀は、なんか思いっきり独り善がりな理論を振り回している様に見える・・というか、実際そうだと思うんですが（爆）、それだからこそ愛しいのよん・・(≧∇≦)というのは、ちょっとこっちに＼(^^＼)おい (／^^)／といて、それは仕方のないことなんですよ。 何故なら、彼にとっては、多分それ以外の選択肢は考えられなかったんじゃないかと思うんです。 （てことで・・以下、恒例の妄想（笑）カジ語り、いきま〜〜す！！（爆）） 自分の恋人が宇宙人との戦いで死亡したことから、専守防衛では手ぬるいと考えるようになったカジくんですが、しかし彼は依然として、その心の奥底に、この星とこの星にある全ての生きとし生けるものが大好き、という純な想いを秘めていました。 そしてまた彼は、隊員時代からずっと、熱血と情熱と確固たる正義感の持ち主でもあります。 そんな彼が、もし他の星を侵略して居座っている宇宙人を目にしたとしたら、その正義感故に、まず間違いなく「お前達は直ぐさま出て行け！！」と言う筈ですよね。 ところが反対に彼は、不幸にして参謀に上り詰める時点でノンマルトのことを知ってしまった。 人は所詮自分の物差しでしか物事を計れないと言いますが、カジくんも然りで、なまじ純粋な分、自分が他に対して出て行けという以上、自分たちもまた他からそう言われ続けるはずだし、実際そうしないといけないんじゃないか、と頑なに思い込む・・当然の心理だと思いませんか？ そりゃ〜彼も相当に苦しんだと思います。 やはり出て行かなければならないのか・・でも、この星を愛しているが故にそんなことはできない・・ってねん そして、自分は既に専守防衛をよしとしない立場に立っている・・の、ならば・・・ ・・という訳で、数え切れないぐらいの自問自答を繰り返した末に彼がたどり着いたのは、究極の自己防衛方法・・つまり、自分たちが出て行けない以上は、出て行けと迫る（であろう）輩も含めた、全ての宇宙人に対抗できうるだけの強大な軍事力を持ち、彼らが星を明け渡せと言ってくる（かも知れない）前に、こちらからミサイルを撃ち込んで星ごと滅ぼしてしまうことでした。 彼にとっては、それだけが大好きな人間達を守る唯一無二の方法だと思われたからです。 つまりは「愛しすぎたが故の盲目」でしょうか。 ああ・・やっぱりとことん切ないキャラですカジ参謀・・・ 誰か彼に、それ以外の道もあるんだよ・・と優しく教え諭してくれる人はいなかったのかと。 ・・・けどそれは所詮無理な願いなんですね。 何故ってカジくんは、参謀にのし上がっていく課程において、自らの手で一切の人間らしい感情を封印しちゃったんですもん。 それが今回、ウルトラセブンに銃を向けるという、彼にとっての極限状況の中、更に追い詰められてとうとう相手に素手で掴みかかるという、まさにぎりぎりのところで、ついに封印が解けて、あの激白と慟哭になったんだと。 あのシーン、流石の！？私も、萌えるどころか、胸がキリキリと締め付けられる程痛くて、思わず落涙しちゃいました(^^ゞ （あ・・蛇足ながら、ここ、小説版ウルトラセブン・エピソード０の方がより切ないです。 かつて彼が愛し、宇宙人との戦いで絶命した恋人、言わば彼にこの計画を決意させるきっかけになった女性（ひと）が現れて、虚空からカジくんに語りかけるという・・ いゃあ・・ベタな展開っちゃ〜展開なんですが、その様を想像すると泣けて泣けて（爆）ＤＶＤをか〜なり補完してくれてるんでお勧めっす） ・・と、カジくん語ってたらいつまで経っても終わりませんが(^◇^;)、ついでながら彼のその後なぞをつらつら考えてみるに、やっぱり軍法会議にかけられて処刑されたんだろうなぁ・・と思います。 なんせ２話で星丸ごと破壊しちゃってますもんね(>_<) いくら人類が、自分達はもう野蛮じゃないと主張したところで、この落とし前（落とし前て・・）はどうつけるんや、と問われたら、それをやったのは極一部の人間だけであって、その首謀者はこれこの様に・・と、きっちり結果を指し示す必要があるじゃないですか。 なので、下手したら全宇宙に向けての公開処刑だったりして・・（つ・・辛すぎる・・(T-T)(T-T)） けどね、その時の彼自身は、もう本当に悟りきった、澄んだ心で逝ったんじゃないでしょうか。 その口元には、皮肉じゃなく、心からの微笑を微かに浮かべつつ、その瞬間に「ありがとう、ウルトラセブン・・」と一言呟いて・・ って・・いつまで妄想しとんじゃ己はっっ！？っつ〜感じですが（笑）、妄想ついでにあと１つだけ。 ななんと・・その後彼の魂は時空を超えて転生し、トレジャーベース全女性職員に言い寄って振られるという伝説の医師、カワヤ・ノボルとして生まれ変わるんですね〜（爆） だってねん、カワヤ初登場のコスモス２５話のストーリーってば、まんま逆フレンドシップ計画なんですよ。 そしてその計画を握る異星の少女が、地球に対してそれを発動するのを止めるきっかけになるのが、なんとカワヤその人という・・ ・・きっとカジくんは、これで前世の贖罪を果たしたんだと思います（大マジ（笑）） あ・・ちなみに、何故にカワヤがああいう性格になったかと言うと、前世で無理して人間らしさを封印していたカジくんを不憫に思った神様が、現世ではもっと人間性を解放するように、と念じられたところ、ちょい勢い余って解放し過ぎてしまった、と（爆） いやいやいや〜〜・・どうも失礼いたしました〜〜〜・・・(^^ゞ って・・・ これいっこも感想ちゃうやんけっ！！・・(;^_^A アセアセ… てな訳で、その他思ったことなどを簡単に（笑） 結局ノンマルトは、現人類の罪を断罪にきたのではなく、単に地球を乗っ取りたかっただけなんですね。 だって、わざわざオメガファイル公開中の施設を壊そうとしてるし・・ でも彼らにしてみれば、それは地球を取り戻すという大義名分の下に行われた行為な訳で、けどこちら側にすれば、みすみすやられる訳にもいかないので、やはり戦う必要がある、と。 う〜みゅ・・これって、答えの出せない難しい問題ですよね〜・・・ でも、甘い！！と言われるのを承知で強いて言うなら、何事もまずは対話なんじゃないかと思います。 っと・・本作の中では相手が問答無用だったんで、どうしようもなかったんですが、その対ザバンギ戦、ウインダムとミクラスはどうなっちゃったのか、ちょっと心配です(^◇^;) （２０１３．３．１３追記 やっぱり死んじゃってたんですよね・・・・ﾟ・(つД｀)・ﾟ・ＤＶＤ特典座談会の神澤＆満留両監督によると、セブンはあれで本当に孤独になってしまったんだ、ということなんだと。そうなんや〜・・っていうか、まだまだ読みが浅いぞ自分・・(^◇^;)） セブンにあっさり倒されてたんで、怪獣自体の戦闘能力そのものはそんなに高くないんだろうなぁ・・とは思うのですが。 あ、あと、肝心の「宇宙の掟」ですが、今回は予め心構えをしてたからか（笑）、そんなにとってつけた感はなかったです。 棺の中にはフルハシ参謀ってのには、いつ見ても流石にびっくり（笑）ですが、その分セブン＝ダンとの再会は素直に喜べましたし。 ラストの、「私は、私の心になんら恥じるところはない・・」に始まるセブンのモノローグも良かったし、燦然と彼に降り注ぐ無数の光・・という演出も、まさにその彼の心の有り様を表しているかのように神々しくて見応えがありました。 個人的にはとてもいい終わり方だったと思います。 （尤も、小説版を読むと、なんか大変な？？ことになってるみたいですが・・生憎エボリューションは見てないのでよく分かりません・・ていうか、今後も見ないかも・・(^◇^;)） その他、Ｕ警隊対保安部の肉弾戦が格好良かったとか、カザモリくん拘束衣ちょい萌え〜（爆）とか色々ありますが(^^ゞ、最後に、今回一番の萌えシーン（笑）を それは、首尾良くサトミ隊員に銃口突きつけたにもかかわらず、反対に麻酔弾を撃たれてしまう、ヘタレな（ヘタレて・・）カジくんどぇす（=●＾0＾●=） （←このタイプの麻酔弾撃たれるのって、「地球より永遠に」の時以来っすよね、 って・・カジファンとしては全編ハードなんで、これぐらいしか明るく萌えるシーンがないんだよんf(^ー^;、ということで・・(^^ゞ 最後まで読んでいただいて（そんな奇特な方がいらっしゃるのか！？）どうもありがとうございました(^o^) ＰＳ もうすぐ（４月１８日）に平成セブンＤＶＤ−ＢＯＸが出ますね(^o^) これで又新たなカジくんファン（笑）が増えるといいなぁ(^_^)v
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