◇　柳生武芸帳　１９９０年　日本テレビ　監督／舛田利雄　脚本／鈴木則文・志村正浩　

■　ストーリー・・

徳川家光が三代将軍に就任してほどなく、天下争乱の元となるという柳生武芸帳の噂が江戸城内を騒がせ始めた。
水月・浮舟と呼ばれるその２巻の巻物を巡って、柳生家と山田浮月斎率いる忍者集団との間で、激しい争奪戦が
繰り広げられる。
果たしてその裏で糸を引くのは誰なのか・・？
さらに、徐々に明らかになる第３の武芸帳の存在とは？？
十兵衛は無事武芸帳を取り戻し、その謎の全てを明らかにすることができるのか・・！？

■　キャスト

柳生十兵衛（松方弘樹）・清姫（岡田奈々）・於季（伊藤かずえ）・松平伊豆守（あおい輝彦）
徳川義直（中村嘉葎雄）・酒井雅楽守（菅貫太郎）・春日局（草笛光子）・大久保彦左衛門（長門裕之）
霞千四郎（倉田てつを）・徳川家光（坂上忍）・おれん（かたせ梨乃）・徳川家康（若山富三郎）
万里小路光房（ビートたけし）・柳生宗矩＆山田浮月斎（萬屋錦之介）

■　感想

念願叶ってこの度やっと東映チャンネルで放映！！＼(^o^)／
思えば本放送時はちょうど長女出産前後でテレビどころではなく、見逃したまま月日が流れて早１８年・・・
諦めずにリクエストした甲斐があったっす。
で、早速ＤＶＤ録画して視聴。いゃあ〜〜色んな意味で面白かったです（=＾0＾=）

まずは出演者の面々、やっぱりいいっすね。
錦ちゃん＆松方さんの宗矩＆十兵衛親子を始めとして、シリーズ通してご出演の、あおい輝彦さん、
草笛光子さん、長門裕之さん達の、一番最初の（役柄としての）演技を見ることができたのも嬉しかったし、
又十郎もちゃんと加納竜さんだったし(^_^)、他にもお馴染み嘉葎雄ちゃんやかたせ梨乃さん（なんとおれん役！！）、
坂上忍さん（家光、ハマってたと思うっす）といった方々もご出演。

加えて特別枠で若山富三郎さんとビートたけしさん（マジ顔での小芝居がナイス(^o^)）まで出演されていて、
かなりバラエティに富んでいてかつ豪華っていう印象でした。

もちろんしっかりとそれに見合うだけの予算もかけたっぽく、セットや小道具類もかなりな気合いの入りっぷりで、
個人的にはその辺もとても見応えがあったんじゃないかと思います。

んでも何より良かったのはストーリー＆キャラ！！
特にキャラは、私にとってはまさに「一粒で二度」美味しかったというか、反対にもし本放映当時なら、
絶対に今以上には楽しめなかっただろうなぁ、って感じっす。
というのも、この作品のベースが近衛十四郎主演の「柳生武芸帳　独眼一刀流」で、私がそれを見たのは
ついこの間・・だったからなんですがf(^ｰ^;

で、このコンテンツにＵＰしている感想のとおり、その「独眼一刀流」とその続編「片目の十兵衛」では、松方さん演じる
霞の千四郎に激萌えしていたので(^^ゞ、今回その千四郎役の松方さんが十兵衛を演じられているというのが
まずもって感無量。

一方千四郎の方はというと、今回倉田（仮面ライダーブラック）てつを氏で、個人的には別にファンではない（爆）
ものの、それでも、千四郎が静姫の尺八を拾うところだとか、浮月斎に会いに行ってまんまと痺れ薬飲まされちゃう
（青いのは相変わらずなのねん（笑））ところだとかを改めて見ることができてもう楽しくて。
更に、千四郎が十兵衛に勝負を挑むシーンに至っては、場所は違えどシチュはほぼ同じで超〜萌え萌え！！
これ、きっと松方さんご本人もさぞや感慨深かったんじゃないかと思うっす。

まぁ・・ぶっちゃけキャラ的魅力度は、近衛十兵衛＞松方十兵衛＆松方千四郎＞倉田千四郎なんだけど、
これはどうしたって仕方がないんで、その辺には拘らず、むしろ新旧の違いを楽しむという視点で観賞してました(^_^)

でもってその松方十兵衛。
まだ近衛版武芸帳シリーズを未見だった頃に、この松方版武芸帳の３だかの感想をＵＰして、ひょっとしてお父さんを
意識してるのかな・・なんてことを書いたと思うんですが、既に近衛版を一通り見終わった今、改めて見比べてみると・・


めちゃめちゃ意識しとうやん〜〜〜！！！！（=●＾0＾●=）（=●＾0＾●=）


いやも〜〜表情から殺陣から・・とにかくバリバリ参考にしてるというか張り合ってる！？というか・・(^o^)
無論、演じながらどんな想いがその胸中に去来したんだろう・・なんてことは知る由もないですが、
見ていてただ１つ確実に言えると思ったのは、松方さんはお父さんのことを役者としてとても尊敬してるんだろうなぁ、
ということで。
あたり前っちゃ〜あたり前なんだけど、だからこそより丁寧に自分なりの十兵衛を演じてらっしゃるように思えて、
それがとても嬉しかったです。

けど、実はこの話の実質的主役は、そんな松方さんじゃなくて錦ちゃんなんですよね〜（爆）
いや・・そこが又面白いんですが(^o^)
だって宗矩と浮月斎の二役ですよ！！
只でさえ存在感ありまくりの錦ちゃんが、こんな「濃い」キャラを完璧に演じ分けてるんだから、その迫力たるや
推して知るべし・・って感じっす。
特に浮月斎、顔全体を覆う白髪の中から覗く両の眼に宿る光の鋭さと、不気味に笑う口元と・・・
一見してただ者じゃないと分かる異様さで、十兵衛の前に立ちはだかる時の威圧感の凄さといったら！！

も〜ひたすらその演技に惚れ惚れ・・・（=＾0＾=）
今更ながら、本当に素晴らしい役者さんだったんですよね。
またまた心から感動した次第っす。


そうそう、登場する度に毎回武芸帳を奪われてしまうという、可哀想な（笑）又十郎が健在だったのも、密かに
ナイスな見どころでしたよん(*^^)v


さてさて。
ずっとキャラ＆役者さん語りばっかりしちゃいましたが、肝心のストーリーの方はというと、
先にも書いたように「独眼一刀流」がベースではあるものの、やはり時代に合わせて作ってあるな、というか・・
端的に言うと、「柳生一族の陰謀」テイストも加味されてる、という感じ。

特に十兵衛とその妹於季との関係なんかは、まんま茜設定踏襲じゃん、と思いましたが、後者がともすると
その後ろに千葉ちゃんの弟子偏愛ぶりが垣間見えて（あくまで私にとっては、ですが）ちょいといただけないな、
って思うこともあったのに比べて、松方さんの場合は当然ですがそんなこともなく、あくまでも全体の流れの中での
いちエピソードになっていたので、すんなり受け入れることができて良かったっす。
（最後に死んじゃったのがめちゃ可哀想だったんすけどね。あれは殺さなくても良かったんじゃないかと・・・(T_T)）

他にもセリフの中で、「裏柳生」に言及するところなど、細かい部分でも「〜陰謀」的なニュアンスが漂ってました。
（脚本家さんのせいもあるのかも知れませんが・・（笑））

あ、話の内容そのものは、言うまでもなく、例の如くの武芸帳を巡る攻防というか、つまりはまだ若い将軍家光を
快く思わない一派が、武芸帳を手に入れることによって政権の転覆を謀る・・という、ごくごくストレートな展開かと。
ちなみに本作での武芸帳設定も近衛版と同じで、家康の名を受けた柳生石舟斎が、自らを徳川に弓引く者に
見せかけ、同志を募って密かに作成したという連判状で、いわば徳川家に謀反の志ある者たちの一覧表（笑）
ただ、今回は、「第３の武芸帳」という新たな設定が付け加えられていて、それなくしては書かれている内容自体が
判読できないようになってます。

ともあれ、武芸帳は柳生家にとって、諸大名や公家達に睨みをきかせることができるアイテム（笑）であると同時に、
そこに石舟斎自身の名も記されているが故に、ひとたび悪意ある者の手に渡れば、反対に自身を滅ぼしかねない・・
という、まさに「諸刃の刃」な巻物なんですよね(^_^;

おまけにこれのせいで、毎度毎度多大な犠牲が払われるんで、もういっそのこと跡形もなく燃やしちゃえば
いいんじゃないか・・・という気がしないでもないんですが・・・（爆）


・・・ってな冗談はともかく。
全体的に見て、お遊びの部分も多少あるものの、それが浮きすぎることもなく、加えて話の骨子がもともとしっかり
しているうえに、プラスαで更に一ひねりしていたのも正解で、正味２時間を全く退屈せずに過ごすことができました(^-^)



んでは蛇足ながら最後に一言。
こうなったら、是が非でもシリーズ全てを放映して下さいねん＞東映チャンネル様


２００８／１２／７　鑑賞

　　　

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